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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
バナジウム(IV)とバナジウム(V)のフローインジェクション法による分別定量条件について, 検出系と抽出分離系にわけて検討した. 1.バナジウム(IV, V)の検出系について V(IV, V)の定量は, 臭素酸カリウムの存在下でのN-フェニルーP-フェニレンジアミン(PPDA)とN, N-ジメチルアニリン(DMA)との反応(反応生成物の吸収極大波長735nm)におけるこの元素の接触作用を利用した. さらに, 感度と選択性の向上のために活性化剤としてタイロンを共存させた. 本研究で得られた流路系および分析条件を右図に示す. この条件下で0.05〜1.0ng/mlのV(IV, V)が定量可能となった. 2.バナジウム(IV)とバナジウム(V)の抽出分離系について pH2.5においてV(V)は, N-シンナモイルーN-(2.3-キシリル)ヒドロキシルアミン(CXA)錯体としてトルエンに抽出されるが, V(IV)は抽出されない. そこで, この抽出系に適した流路系を組み立てた. すなわち, 試料をpH2.5の緩衝溶液の流れ(0.8ml/min)に注入すると, この流れが0.03%CXA-トルエン容器の流れ(0.8ml/min)と混合し, 抽出コイル(2m)中を通過する. セパレーターで分相後の水相中にはV(IV)が残るので, これをそのまま検出系に導入した. 接触反応による検出系ではV(IV)とV(V)の合量が定量できるので, この抽出系で求めたV(IV)濃度を総濃度から差し引くことにより, V(V)濃度が求まることになる. 今後, 抽出分離されたV(V)を水相に逆抽出する流路系を組み込み, 単一試料の注入でV(IV)とV(V)の分別定量を可能にしていく予定である.
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