沸石の酸素同位体地球化学-低温領域での地質温度計としての応用
Project/Area Number |
62540440
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分析・地球化学
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日下部 実 岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (20015770)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 沸石 / ワイラカイト / 酸素同位体比 / 脱水 |
Research Abstract |
沸石鉱物中の酸素は沸石水に含まれる酸素とアルミノケイ酸塩骨格に含まれる酸素の2種類の形で存在する. 沸石水は比較的容易に外界の水と交換するので, 鉱物生成時の情報を保持しているのは骨格の酸素同位体比だけである. 骨格酸素同位体比測定法として, 沸石水を加熱脱水により除去する方法(脱水法)と, 沸石水のみを同位体比既知の^8D濃縮水と交換させ沸石水+骨格のhulk酸素同位体分析から沸石水の値を差し引く方法(交換法)がある. しかし, これらの方法にはいずれも問題点が残されている. 本研究では脱水法による骨格酸素同位体比の測定を試みる目的で, カルシウム沸石のひとつであるワイラカイトについて加熱脱水の挙動を検討した. まず脱水温度を知るために, 大気中および真空中で熱重量分析を行った. 大気中では, 約500°Cにゆるやかな脱水のピークがあり, ほぼ650°Cで脱水が完了する. 真空中では, 大気中より脱水温度が低温側にずれ, ピークは450°C終了温度は約550°Cになる. 真空装置を用いて段階加熱により脱水量を求めたところ真空中の熱分析と同様の結果を得た. ワイラカイトのアルミノケイ酸塩骨格の酸素同位体比を測定するため, 真空中で, 550°C以上で完全に沸石水を脱水回収する. 脱水した微量の水は二酸化炭素との交換法により, 無水ワイラカイトは五フッ化臭素法により, それぞれ別個に沸石水と骨格の酸素同位体比を測定した. 550°Cから950°Cまで100°Cごとに脱水温度を変えた実験において沸石水骨格とも脱水温度の違いによる酸素同位体比の差はみられなかった. この結果より, 高温で瞬間的に脱水を行った場合には沸石水と骨格の酸素との間で酸素同位体の交換が起こっていないと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)