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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は, 火山ガスの主要成分である二酸化炭素に含まれる14Cを加速器質量分析法で定量して, その起源を推定することである. まず, アルカリ固定したCO_2を金属マグネシウムで還元して, 無定形炭素の形でイオン源試料とする方法を検討した. アルカリ溶液の調整, 保存に際して混入する現代炭素や還元剤のマグネシウムに含まれる現代炭素が^<14>C測定下限を決めるが, 幾多のテスト実験の結果, 現代炭素混入を0.4%以下に抑える方法を開発した. これは年代換算で約46,000年に相当する. この成果は分析化学36巻に発表した. この方法を用いて北海道有珠山で二酸化炭素を採取し, 無定形炭素に還元した. これは銀ペーストと混ぜ合わせてイオン源とし, 東京大学のタンデム・バンテグラク加速器によって14C/12C比を求めた. その結果, 有珠火山ガス中のCO2では, (^<14>C/^<12>C)火山/(^<14>C/12C)現代比が0.02〜0.04であることがわかった. 有珠火山ガス中のトリチウム濃度については6.6T.U.という値が報告されている. もしこの値が正しければ多量の浅層地下水がマクマガスと共に火山ガス中に混入していることを意味しているが, 地下水に含まれるHCO_3^-に分解してCO_2となって火山ガス中に含まれている予想される. 従って本研究で定量された有珠火山中の^<14>Cはその大部分が, 地下水起源である可能性が大きい. 現在, 那須茶臼岳, 箱根大涌谷などの火山ガスちついても^<14>C/12C比の測定を続行しているが, ^<14C>/12C比のデータをδ(18C)値や^3H濃度との相関性をしらべて, 火山ガスへの地下水の混入や, 地下での熱水による火山岩の変性などについて検討する予定である.
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