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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1)各種Ni(II)シッフ塩基錯体を合成し, 酸化還元電位をDMF中, pt電極を用いてCV法により測定した. E_<1/2>〔Ni(II)/Ni(I)vs.SCE〕はNi(α-Me-salen)-1.75V>Ni(salchxn)-1.65V>Ni(salen)-1.58VおよびNi(acacen)-1.96V>Ni(bzacen)-1.91V>Ni(tfacen)-1.37Vとなり, 配位子部に電子吸引性基を導入するとニッケル上の電子密度が減少し, E_<1/2>が大巾にpositive shiftすることが判明した. 2)還元剤を用いるNi(I)の生成では, Ni(tfacen)のみがNaBH_4やNa(Hg)により容易にNi(I)錯体となるが, 他の錯体は還元されず, LiAlH_4では分解が起った. Ni(tfacen)の還元剤および定電位電解による還元生成物は同一の吸収スペクトルを示し, Ni(I)錯体に特徴的なCT帯を600mm(Σ=4100)に示した. このNi(I)錯体のESRスペクトル(THF中, -183K)は, g11=2.212, g1=2.083にシグナルを示し, 平面正方形にα9錯体であると判明した. Ni(I)錯体はN_2下0゜Cでは安定であるが, O_2では速やかにNi(II)にもどる. 3)Ni(tfacen)を触媒とするn-OctylbromideのNaBH_4による還元ではn-Octane(90%)とhexadecane(10%)が生成し(turn over数=約5), ラジカル機構で反応が進行することが判明した. Ni(tfacen)を触媒とするCO_2の定電位電解(AN中, -1.6V)では修酸が優先的に生成し, COの発生は認められなかった(turn over数=10). 電流効率はNi錯体なしの場合の5倍以上であり, 錯体の分解は起らないので, 修酸生成の触媒として有効なことがわかった. この反応もラジカル機構で進行すると考えられ, 選択性が高いのはNi-シッフ塩基錯体がヒドリド錯体を作りにくいためと考えられた.
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