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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
62年度の交付申請書の研究実施計画で記述した線に沿って主に研究を進め以下の実績を収めた. 1)一方の銅(II)にジアセチルモノオキシムと2-(2-アミノエチル)ピリジンのシッフ塩基を, もう一方の銅(II)に2.2'-ビピリジン, 1.10-フェナントロリン, ジエチレントリアミンなどを配位させ, それらの銅(II)間をオキシム状N-O-とNC^-S, NCO^-またはOH-で橋かけした混合配位子複核銅(II)錯体を合成した. 2)合成した錯体について, 元素分析並びに各種物理化学的手段を用いて構造推定を行ない, それらの中でOH^-で橋かけした反磁性の錯体2種を得た. これら反磁性の錯体はタイプIII銅タンパクの代表例であるオキシヘモシアニンの活性中心をモデル化した複核銅(II)錯体とみなせる. 3)合成した錯体について, 本科研費で購入したポテンシオスタット/ガルバノスタットとクーロン/アンペアアワーメータ, およびすでに設置ずみのファンクションジェネレーターを用いて, サイクリックボルタンメトリーおよび定電位電解還元の実験を行い, 一方の銅(II)に2.2'-ビピリジンまたは1.10-フェナントロリンを含む錯体ではCu(II)-Cu(II)→Cu(II)-Cu(I)→Cu(I)-Cu(I)の, 他方ジエチレントリアミンとその誘導体を含む錯体では, タイプIII銅タンパクと同様の2電子移動過程(Cu(II)-Cu(II)→Cu(I)-Cu(I))が起っていることを見出した. 4)2)および3)の結果をもとに, オキシヘモシアニンの銅周辺部の構造について考察を行った. 5)なお, 一酸化炭素を付加した複核銅錯体の合成は目下進行中である. 6)1)〜5)に関連して, ピリジン環とイミダゾール環ではいずれが銅(I)状態を安定させるかについても研究を進め成果を収めた.
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