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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
パーソナルコンピュータを用いて, 光刺激を定量的に行うことのできるシステムを作製した. 刺激パターンはスライドプロジェクタによって投影し, パターンの水平方向および垂直方向の動きは, 2つのパルスモータによって鏡とプロジェクタを回転して行った. カエルの視蓋表層に分布する4種類の視神経線維のうち, "on-off"および"off"線維に注目し, これらの線維がどの種類の視蓄ニューロンと単シナプス性結合するかを, パルスーアナログ相関法を適用して調べた. "on-off"又は"off"線維の応答を細胞外記録し, その受容野を沢定した後に, 近傍の視蓋ニューロンから細胞内記録を行った. 視蓋ニューロンは, 光の"on-off"によって, E-E型, EI-EI型, I-I型およびIE-IE型に大別される(Eは興奮, Iは抑制を示す). E-E型およびEI-EI型の応答からは, 短潜時のEPSPが検出された. 潜時のヒストグラムのピークはおよそ1.4msにあり, これらは単シナプス性であると結論された. 2つの記録電極間の距離を測定したところ, 細胞体から0.5mmも離れた位置にあるシナプスからも, EPSPが十分検出されることが示された. "off"線維についても同様な測定を行ったところ, IE-IE型の視蓋ニューロンが"off"線維より単シナプス性EPSPを受けていることが示された. これらの実験によって, これまで不明であった網膜-視蓋間の結合を, より精密に解析することが可能となった. この方法は, 他の種類の視神経線維にたいしても, もちろん適用が可能であり, 4種類全部の視神経線維と視蓋ニューロンの結合を明らかにする展望が開けた. また, この実験は, パルスーアナログ相関法の, 中枢神経系に対するはじめての適用である.
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