紀伊半島熊野酸性岩とその捕獲岩類にみられる部分溶融・同化作用の岩石学的研究
Project/Area Number |
62540626
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
鉱物学(含岩石・鉱床学)
|
Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
落合 清茂 大阪府科学教育センター, 研修一部, 主任研究員 (00125246)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田切 美智雄 茨城大学理学部, 地球科学教室, 助教授 (50007829)
|
Project Period (FY) |
1987 – 1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 熊野酸性岩 / 捕獲岩 / 部分溶融 / 同化作用 / レスタイト / 花こう岩質マグマ / REE / 高マグネシウムグラニュライト / 難溶性残滓 / 花崗岩質マグマ |
Research Abstract |
今年度は捕獲岩類と母岩の花こう斑岩について主として、プラズマ発光分析法によりREEを含む微量成分組織を分析した。また昨年度に続いて岩石の記載文意、XRFによる主成分組成の分析も行った。これらのデータに基づき捕獲岩類を改めて次の4つに分類した。 (1)弱変成の砂、泥質ホルンフェルス、 (2)半自形等粒状でマフィックな暗色包有岩、 (3)縞状組織をもつ中性・珪長質あるいは泥質の片麻岩類、 (4)他形粒状で弱い平行組織をもつ斜方輝石・斜長石グラニュライト。これらのうちグラニュライトは新しい発見で、SiO_2は53-54%で、著しくMgO(9.43)とFeO^*(13.67)、そしてNi(196ppm)、Cr(399)に富む。REEパターンは、花こう斑岩に対して、片麻岩類はその下側を並行し、グラニュライトはLREEに乏しくHREEに富む。暗色包有岩はLREEは片麻岩類と以てやや乏しくHREEに富む。また累帯した片麻岩捕獲岩の核、マントルのREEの変化は、核はレスタイト、マントルは、片麻岩が融解した液から晶出した斜長石、隣灰石、斜方輝石、黒雲母などの集積物、花こう斑岩はその分化物であることを示す。 主成分・微量成分組成の特徴、および岩石組織、鉱物組合せに基づけば、暗色包有岩は花こう斑岩をつくったマグマのより早期晶出物、片麻岩類は花こう岩質マグマの一つの主要な起源物質およびそのレスタイトと考えられる。高マグネシウムグラニュライトは、主成分組成の類縁性から花こう岩質マグマとの何らかの関係、例えば"初生マグマの集積物"、あるいはレスタイト、を予想させる。今後はグラニュライトの起源、および片麻岩類やグラニュライトの融解一分別結晶作用のプロセスを具体的定量的に解析したい。さらに今回は準備に終ってしまったが、その融解プロセスを検討するために、熱水合成実験の手法を確立することを進めたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)