内殻電子励起に伴う価電子及びイオンの動力学的挙動の理論研究
Project/Area Number |
62550004
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 剛 東北大学, 工学部, 教授 (00005240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嵜 博司 東北大学, 工学部, 助手 (00134007)
倉本 義夫 東北大学, 工学部, 助教授 (70111250)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1987: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 銅酸化物超伝導体 / 内殻励起現象 / 制動輻射等色線 |
Research Abstract |
一昨年末以来, 各方面で問題になっている高温超伝導材料に於ける伝導機構に就いては未だ明確な解答はなく, 各種の実験手段を用いてこの材料の種々の物理的, 化学的性質が調べられて居るのが現状である. 特に内殻電子励起を用いた共鳴光電子スペクトルは価電子帯電子の有力な情報を与える. 文献1)-3)は銅酸化物の銅の3d, 酸素の2p混成軌道と格子系との相互作用を考慮したもので, ポーラロン効果によって混成の効果は減少するが反強磁性的交換相互作用は減少せず, ポーラロン効果が十分大きいときにはs波とd波の束縛状態が生じることを示したものであり光電子分光で得られたフェルミ準位近傍の状態密度の変化を解明している. 文献4)は光励起した反導体ドーピング超格子の蛍光スペクトルを理論的に取り扱ったもので, 先ず電子・正孔系の有効質量方程式と超格子内の電場に対するポアソン方程式を自己無撞着に解くことにより電子状態を決定し, 次に電子-正孔の再結合確立を計算してキャリヤ濃度, ピークエネルギーの励起光強度依存性を求め, 実験結果を定量的に解析している. 文献5)はフェルミ準位より上の空準位状態を調べる為に用いられる制動輻射等色線セペクトル(BIS)の強度を理論的に求めたもので, 内殻空孔の存在をその要因とするX線吸収スペクトルの微細構造(EXAFS)とは全く異なる機構をもちながらBISの強度がEXAFSと類似した微細構造を示す理由を明らかにしている. 本研究ではBISの場合の電子状態を始状態, 終状態ともBloch状態で記述し電子とイオンとの散乱をボルン近似の3次の項までを考慮して輻射強度を求めたが, 波動関数を通して現われる結晶の周期性の効果がEXAFSの場合と同じような微細構造を与えていることが示された. 実際の計算は銅に対して行なわれ, 最近Speier等によって測定された実験結果と頗る良い一致を示している.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)