Research Abstract |
1.格子ガスモデルを用い, 3種の原子過程(吸着, 拡散, 蒸発)を考慮した薄膜成長の, 計算機シミュレーションのプログラムの作製を行う. 蒸着測度, 基板温度T, 蒸着原子間相互作用Eb, 蒸着原子-基板原子間相互作用Eaを成長条件のパラメタとし, 微視的膜構造に対する依存性を解析する. (1)蒸着測度が拡散測度に比べ速過ぎる場合は, 膜構造は荒れる. (2)基板温度R_BTがEbに比べ高過ぎる場合は, 膜構造は荒れる. (3)(1), (2)でない場合, EaZEb出層モード, Eb>Eaで島モードの凝集膜構造を取る. (4)蒸発過程を考慮すると, 単原子濃度は減少し, 臨界核のサイズは増加する. 2.冷たい基板上に積らせた薄膜のアニーリングの計算機シミュレーションを, Metropolis法により行う. 格子ガスモデルを用い, 蒸着原子のhoppingによる緩和のみを考慮する. (1)Ea/k_BT, Eb/k_BT-面内で, 膜構造は, 層モード, 島モード, 荒れた膜の3つの領域に大別される. (2)島モードにおける凝集は, アニーリング時間と共に進行し, 島の平均サイズは, 試料のサイズによって決まる大きさ迄成長する. (3)島の成長機構は, 基板上への島からの単原子蒸発と他の島への捕獲と, 質の拡散による合体の, 2種の共存で起こる.
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