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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
中速電子回折(MEED, 加速電圧0.2〜10kev)は従来の反射高速電子回折(RHEED)や低速電子回折(LEED)の欠点を補う上で, 優れた特色のあることが本研究の結果明らかとなった. 本年度は特にマイクロチャンネルプレート(MCP)を用いた回折強度の増幅とオージェ電子分光(AES)及びX線光電子分光(XPS)による表面組成分析を行い, 半導体単結晶の清浄表面およびこれに金属原子を吸着させた場合の表面状態について研究を行った. 現在までに得られた成果の概要は次の通りである. 1.現有の超高真空装置(〜2×10^<-10>Torr)に取付けるため, MCP型MEED-AES分析装置を購入し, 電子銃, 試料マニピュレータ, 表面清浄化処理機構, 蒸発源用セル, ガス導入系などを整備し, 半導体結晶表面の原子レベルでの清浄化処理および表面超薄膜の成長実験をよく制御された条件下で行うことが出来た. 2.上記の系による回折強度や表面組成分析結果をCRTを用いた画像処理によって容易に表示出来る機構を整備した. 3.試料として, 数種の半導体単結晶:Si(111), (001), (110);GaP(111), (III), (001), (110);およびGaAs(001)などの表面を用い, 原子レベルでの清浄化処理を行い, MEED-AES測定をした. その結果, 清浄表面として, Si(111)7×7;Si(001)2×1;Si(110)16×2;Gap(111), (III), (001), (110)1×1;GaP(001)2×1;GaAs(001)1×1および4×1などの正常および超構造が観察された. 4.これらの清浄表面上に少量のAgまたはNi原子を供給し超薄膜を形成させた場合の研究では, Si(111)√<3>×√<3>R30°Ag相の他, Si(110), (001);GaP(001), (110)およびGaAs(001)面上ではAgの一次元格子が, またSi(110)面上では極微量のNi原子の存在による4×5および2×1超構造の形成が確認されるなど, 多くの重要な成果が得られた.
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