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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
全く新しいタイプのテンタゲートとしてスイスのSchinznachに逆置テンタゲートがある. 扇形せきの支持点を上流側に設けた点が従来のゲートとは異なる. さらに, 径間も比較的長い(約20m). それゆえ, Schinznachゲートは「径間が長い長径間ゲートとしての振動特性」と「せき板に働く水圧の方向と回転中心との距離が深さによって大幅に異なる特異性を有したテンタゲートとしての振動特性」の両方を持つ. このため逆置テンタゲートは従来のゲートとは異なる複雑な振動挙動を示す. このような問題を解決するための第一段階として, 本年度は特に後者の振動特性だけに注目し, 理論と実験の両面から研究を行った結果, 次に掲げる結論を得た. (1)理論解析の結果, 貯水池内の変動流れ場を決定する無次元パラメータはフルード数(放水口水深を代表長さ, 放水口水深と振動数の積を代表速度に選んだときの慣性力と重力との比の平方根)であり, 振動挙動を決定する無次元パラメータは水とゲートとの慣性モーメント比および空中での減衰比があることが分った. 自動振動はフルード数が1.0近くのときに生じ, そのときの激しさは慣性モーメント比が大きくなるほど増大する. (2)実験用のモデルゲートでは放水口水深が約30cmでり, フリード数を1.0にするためにはゲートの振動数を約0.9Hzに設定する必要があった. そのため使用した約6m長の水横内に生じる比較的周波数の低い定在波の影響を受け, 正確な実験データを得ることはきわめて困難であった. しかし, フルード数が1.0近くでの安定図, 振動数, 発振比, 変動水圧の特性を明らかにできた. 実用されているテンタゲートの実地調査の一環として, 松原ダムのテンタゲートについて打撃試験を実施し, モーダル解析を行った結果, 主要な5つの振動モード, およびそれらの固有振動数, 減衰比を明らかにできた.
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