Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
核融合実験装置用超電導マグネット, 超電導発電機を始めとする各種電力機器への超電導技術の応用が活発化している現状において, 唯一の冷媒である液体ヘリウム, 超臨界ヘリウムなど極低温高密度ヘリウムには多くの場合電気絶縁の要求も課せるれるが, ヘリウム単体で電気絶縁を構成することは希で, 高分子材料との複合系が多く用いられる. しかし, 液体ヘリウム中では沿面放電や部分放電が発生し易く, これらによる各種高分子の劣化過程を明らかにすることは, 極低温複合電気絶縁技術の確立に対して実用的観点も含めて, 極めて重要な情報を与える. 本研究では, 以上の様な観点から, 現在話題となっている高温超電導体の低温冷媒である液体窒素中での劣化過程も含めて検討を進めた結果, 以下の事項が明らかになった. 1.液体ヘリウム中で発生した放電ストリーマによる高分子フィルムの劣化の特徴として, 劣化痕が網目状を呈し, 液体窒素中での様相と大きく異なることがわかった. これらの原因として, 液体ヘリウムと液体窒素の高分子球晶界面への浸透性の違いが関係していることがわかった. 2.高分子フィルムと低温冷媒の複合絶縁系において, フィルムの積層効果について調べた結果, 長時間破壊では厚い単体フィルムが, 短時間破壊では薄いフィルムを多く積層した方が, 電気絶縁として優れていることがわかった. これらの結果は, フィルム間の低温冷媒中で発生する沿面・部分放電現象が大きく関与していることがわかった. 3.液体ヘリウム中での沿面・部分放電の発生電圧は他の絶縁液体と比較してかなり低いことが明らかになった. また, 金属電極が負極性の時が正極性の時に比べ比較的放電が発生し易いこともわかった.
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