Research Abstract |
1.発電機の理論的研究 固定子に2極負荷巻線と4極直流励磁巻線を施すブラシレス2極単相同期発電機の場合, 回転子界磁回路を3個の半波整流回路で構成することにより, 固定子直流電流一定でも単相電機子反作用を利用して自動的に定電圧特性となることを理論的に解明した. また, 固定子に4極負荷巻線と2極直流励磁巻線を施すブラシレス4極単相同期発電機の界磁回路の断続を考慮した解析を行い, 2極発電機と同様に固定子直流一定でも平複巻特性となり, 出力波形も良好であることが理論的に確認できた. 2.発電機の実験による検証 昭和62年度備品費で購入した直流増幅器と現有設備の電磁オシログラフを組み合わせて, ブラシレス2極および4極単相発電機の詳細な各部波形を記録し, 特性の実験的検証を行った. その結果, 回転子界磁回路を3個の半波整流回路で構成する2極単相発電機の場合, 固定子励磁巻線をダイオードで短絡することにより, 自励効果が増大し, 固定子直流電流のリプルが減少することが判明した. さらに, ブラシレス4極単相発電機の場合, 2極機と同様に固定子直流によって電圧調整が大幅に可能であり, 効率も最大87%と比較的高く, 高効率発電機として実用化のための指針を得ることができた. 3.最適制御方式および設計の研究 発電機の速度変動に対する定電圧制御方式として, AVRによりパワートランジスタのベース信号を制御し, 直流チョッパの通電率を調節して定電圧を得る自励方式を考案, 製作し, 実験による検討を行った結果, 発電機出力波形に起因した制御精度の悪化など問題があった. 従って, 発電機電圧の実効値を検出するなどの解決策が必要で, 今後の課題として残る. 量産に適した発電機構造の研究については, 現在, 固定子巻線を集中巻とし, 鉄心構造の工夫により, 正弦波出力を得る発電機方式について研究中である.
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