地震波動伝播過程の推定と数学モデル作成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62550409
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和泉 正哲 東北大学, 工学部, 教授 (10005506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝倉 裕 東北大学, 工学部, 助教授 (40134027)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 因果性 / 最小位相 |
Research Abstract |
地震動記録はフーリエ解析をすることにより, 振幅と位相の情報とに分離することができる. さらに因果性の条件を考慮すると, 最小位相推移関数(以下MPS)と全域通過関数(以下AP)に分離することができる. ここで, MPSは振幅のみの情報に基づく因果関数, APは位相から振幅依存の部分を除いた因果関数であり, この分離手法を因数分解と定義する. 本研究では, 因数分解を実記録に適用しその特性を考察した. 以下にその結果を示す. 1.遠地地震の記録の場合, 同じサイトの観測波については, 震源域が同じとみなせるならばAPの包絡系が類似す傾向がある. また, 同じ地震でも違うサイトの場合はそのような傾向が見られず, 近接したサイトでも地盤構造の違いの影響を強く受けるようである. これは, APが地震動の非定常性に関する情報を持つことを考えると, やはり震源から応答過程にいたるすべての成分の影響を受けていること, 特に遠地地震の場合は伝播・応答過程の影響が強いことを示すものといえよう. MPSについては, 地震規模が大きくなるにつれて長周期成分が卓越する結果が得られており, これは震源から観測点までの条件が等しいと仮定できるならば, 震源における振幅のマグニチュード依存性を示すものと思われる. 2.近地地震記録でも, 多重震源で断層距離がある程度以上になると因数分解で明確に震源過程を抽出できるわけではない. しかし, 断層のごく近傍ではMain shock以降はほぼMPS性を満たすという結果が得られ, 震源等に関する情報を抽出できる可能性があると思われる. 以上の他に, 断層近傍の余震記録では観測波自体がMPS性を満たすという報告もあり, 実記録の因数分解特性を整理していくことにより, 震源波の性質に関するより深い情報が得られるものと思われる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)