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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
引張鉄筋比がある程度小さい鉄筋コンクリートはりは, 曲げ降伏後の中立軸が断面中心より圧縮側にあるので曲げせん断力を受けると軸方向に拡がる. しかし, 実際の構造物の中では, 床や壁などの他の構造要素によって拘束され, はりは自由に伸縮できる訳ではない. そのために, はりは, 結果として軸力を受けることとなり, 保有耐力計算時の仮定とは異なってくることとなる. 本研究は, 長方形断面およびT形断面の鉄筋コンクリートはりの曲げせん断実験を行い, 軸方向変形が拘束されている場合の影響について考察したものである. 実験は, 約実物の1/4の模型実験とし, はりせい20cmで行っている. スラブの有無, 圧縮鉄筋量の多少, 軸方向の拘束の有無をパラメーターとした6体である. その結果得られた結論は, 以下の通りである. (1)軸方向変形を拘束されたはりは, 曲げせん断力を受けると軸力が加わり, 拘束されないはりに比べ耐力が上昇する. このことは, 建物の崩壊形がはり降伏から柱降伏状に変るなど構造物が設計時に仮定した崩壊形とは異なった崩壊形を示す可能性があることを示している. (2)軸方向拘束を受けるはりは, 作用した圧縮力のために, コンクリートの圧縮破壊が生じやすくなり, 変形能力が低下する可能性がある. (3)端部に複数の弾塑性バネを有する部材モデルにより解析を行った結果実験と解析はほぼよい対応を示した. (4)この解析法により, 栓断スパン比の影響を調べたが, 軸方向拘束剛性が同じであれば, シアスパン比による影響は少ないが, シアスパン比に応じて軸方向拘束が変化する場合には, シアスパン比の影響は大きく, シアスパンが短いものほど耐力上昇が大きい.
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