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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究は特異な相変態挙動を示すTi基金属間化合物であるTi_2A_3およびTi_2A_<3-x>B_x(A, BはNi, Pd, Cu等の金属元素)合金の相平衡と相変態に関する研究の一つとして行ったものである. Ti_<40>Ni_<60-x>Cu_x合金においてx=3〜4at%の範囲において850°C以下でTi_2(NiCu)_3化合物相が単一相として存在することが実験的に確認された. この化合物は室温から200°Cの温度範囲で可逆的な相変態を起すことが熱分析(示差走査熱量測定および熱膨張測定)によって確認された. 微細構造の観察では, 無拡散型相変態の特徴である表面起伏の存在が確認され, それらは加熱により消滅し冷却により再び出現した. このことより本化合物における相変態は, 熱弾性的な性質を持つ無拡散型相変態であると結論された. また変態に伴う構造変化は, X線および電子回折の結果, 正方晶から斜方晶への遷移であると推論された. さらにこの相変態に伴い形状記憶効果が確認されたが, 回復可能な歪量は1%以下と小さく変形によって粒界破壊が生じた. 現在これを改良すべくB, Y, Nbなどの微量元素添加による粒界強化および超急冷薄帯の作製を行っているが, 後者において特性の改善が見られた. Ti_<40>Ni_<60-x>Pd_x合金ではx=30〜60at%の範囲でTi_2(NiPd)_3化合物単一相が安定に存在し得ることが明らかになった. 本化合物においても上述のTi_2(NiCu)_3化合物と同様に表面起伏が観察されたが, その相変態挙動はより複雑であった. すなわち透過電顕内での加熱によるその場観察の結果, 表面起伏に対応した微細構造は400°C程度まで安定であるが, それとは異なる変態生成物の出現と消滅が見られた. この過程は可逆的であった. 今後この相変態の本性と形状記憶効果の有無調べる予定である. また他のTi_2A_3およびTi_2A_<3-x>B_x化合物の相変態についても系統的研究を行う.
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