高炭素濃度溶鉄の脱りん反応におけるスラグーメタル界面の酸素ポテンシャル
Project/Area Number |
62550485
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
金属精錬・金属化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 一美 名古屋大学, 工学部, 教授 (10022972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 政広 名古屋大学, 工学部, 助手 (90126897)
佐野 正道 名古屋大学, 工学部, 教授 (70023174)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 溶銑処理 / 脱りん反応 / 高炭素濃度溶鉄 / スラグーメタル界面 / 酸素ポテンシャル |
Research Abstract |
本研究は, 溶銑処理における脱りん反応機構を解明し, この反応操作の工学的基礎を確立させる目的をもち, 石灰系スラグと高炭素濃度溶鉄(メタル)を反応させ, 反応界面における酸素ポテンシャルを検討したものである. 1.多数のFe-C合金試料の溶解調製に用いる「高周波誘導加熱溶解用炉体」を設備備品として購入設置し, これにより研究が大いに促進された. 2.気相中酸素濃度の影響に関する実験 (1)CaO-Li_2O-SiO_2-FeOスラグとFe-C-P合金を溶解しAr-O_2混合ガスを吹付けて脱りん実験を行った. 反応成分の初濃度は, 〔%C〕_0=〜4.4, 〔%P〕_0=0.04, (%FeO)_0=15, Po_2=0〜0.2atmとした. (2)一般に, ある時間までは脱りん反応が進行し, その後若干の復りんの傾向を示した. Po_2を0から0.2まで増加させることにより, りん分配比(%P)/〔%P〕の最大値は12から200まで増加した. なお(%Fe^<3+>)/Σ(%Fe)は0.1〜0.4の間で変化した. (3)(%P), 〔%P〕の時間変化が非常に小さくなった擬平衡状態から, 既知の分配比Lp=(%P)/〔%P〕とPo_2の関係から界面の酸素ポテンシャルを推定した. その結果, Po_2=0〜0.2atmにおいて, スラグーメタル界面の酸素ポテンシャルは5.34×10^<-16>atmから5.39×10^<-15>atmまで増加した. 3.スラグーメタルの初期りん濃度の影響に関する実験 (1)上述と同一の実験手法によりAr雰囲気下, (%FeO)_0=10〜22, 〔%C〕_0=〜4.4で〔%P〕_0=0.006〜0.083, (%P)_0=0.52〜1.38の間で変化させ, 擬平衡状態をつくり, スラグーメタル界面の酸素ポテンシャルが1.2×10^<-15>〜3.7×10^<-15>atmであることを見出した. 4.以上の結果と当研究室で先に得られた高炭素濃度溶鉄中Siの酸化反応におけるCの同時酸化反応速度の結果を比較し, スラグ中にPが含まれる場合には, Cの酸化反応速度が非常に小さくなることを見出した. これよりりん反応の場合には, Siの酸化反応に比較してスラグーメタル界面の酸素ポンシャルは高く保たれることが推定された.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)