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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
金属合金の電析では, 析出膜はしばしば特定の結晶方位に配向する, いわゆる優先方位を持つことが知られている. それ故, 磁化容易軸を優先方位とする電析膜を形成すれば, 垂直磁気異法性膜が得られるはずである. この優先方位は, 一般に金属及び結晶化過電圧に依存する. 我々は, 先にパルスめっきでは, パルス条件により結晶化過電圧を広い範囲で変化させることが出来るので, パルス電流を用いて優先方位を抑制することが出来ることを見いだした. 本研究では, 定電流パルスを用いてコバルトおよびコバルト基合金の電説を行ない, 得られた析出膜のX線解析により優先方位の測定を行なうとともに析出膜の組織観察ならびに磁気的性質の測定を行なった. 電解液としてワット型浴のコバルトめっき浴を基本組成とし, 特にパルス条件を平均電流密度(iav), パルス時間(ton), 休止時間(toff), により設定し, iav=5-50×10-3A/cm^2, ton=1msとし, Duty cycle(ton/(ton+toff))を0.05-1.0の範囲で変化させて垂直磁気記録媒体に必要なコバルとhcp結晶のc軸に優先方位を有する電析膜を得る電析条件を求めた. 垂直磁気記録媒体に必要なコバルト結晶の優先方位はX線回析では(002)面のピークとなってc軸の配向が現われる. 得られた電析膜のX線回析図により, 低および中程度の電流密度では(110)面に強い配向性を示すが, 高電流密度すなわちピーク電流密度100mA/cm^2以上では急激にその配向性が減少し, それとともに(002)面への配向性が現われてくるなど, 優先方位と過電圧の相関関係を明らかにした. また, 析出膜の組織観察では, 低電流密度で得られた電析膜の断面は柱状組織となり, 高電流密度になるにしたがってその断面は微細な球状組織に変化することが明らかになった. 高密度記録媒体として有用な垂直磁気異方性膜が得られるパルス条件を見いだすことができた.
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