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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究では種々の物理化学的方法を駆使して, 電極触媒の表面観察, 反応中間生成物の同定と分析, 電極自身の構造変化の追跡等を行い, それらの基礎としてより高活性な電極触媒の開発を目指そうとするものである. 以下, 本年度の研究から得られた結果について述べる. なお, 計画中の(3)エレクトロクロミズムおよび(4)湿度センサーに関する研究は目下準備中である. (1)In situ質量分析(DEMS)法の確立. 先ず四重極質量分析計を購入し, 真空系を組み立ててDEMS装置を完成させた. ついで本装置をPt電極上のCO電解酸化反応等に適用した. その結果, 電位掃引法による電気化学的測定結果との明確な対応も得られ, 本装置の作動が確認された. これにより今後, 反応の詳細な解析ならびに他の反応への適用も可能であることが示された. 今後, メタノール陽極酸化反応等, 本研究で対象としている他の反応にこの方法を応用し, またアイソトープの利用, あるいは他の観測方法と組み合わせる等により, 反応機構のより詳細な追跡への展開を目指している. (2)X線および反射赤外吸収法等の方法によるメタノール, ホルムアルデヒド等の陽極酸化の追跡. 既に我々はX線解析法により, アルカリ性ホルムアルデヒドの酸化の際, Pb系電極中に水素が吸収されることを確認している. 本研究では更に他の中間生成物に関する知見を得るため, Pb金属およびAu Pb合金電極上のホルムアルデヒドおよびギ酸イオンの陽極酸化反応を反射赤外吸収法で観測した. その結果, 反応中間生成物, 特にCO状物質がホルムアルデヒドから生成するが, ギ酸からは生成しないことが示された. 更にその生成や消滅の条件等をかなり詳細に知ることができ, またそれが反応阻害物質としてどのように働くかなど, いわゆる反応の"自己被毒"などに関する多くの知見を得ることが出来た. 今後これからを基礎に, メタノール酸化用高活性電極の開発をうぃ目指したい.
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