ポリタングステン酸希土類を用いたエレクトロルミネッセンス蛍光体の開発
Project/Area Number |
62550583
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山瀬 利博 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (80016576)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Keywords | ヘテロポリタングステン酸イオン / 希土類蛍光体 |
Research Abstract |
Wの酸化物をホストとした希土類蛍光体として, Gd_2(WO_4)_3:Eu, Y_2WO_6:Eu等が知られているが, これらは発光センターとして作用するEu^<3+>が化学量論的にドープされていない為, 格子構造と発光特性との相関性が不明となり, 一層よりよい特性を示す蛍光体開発の為の指針をえることができなかった. 本研究はこの点に注目し化学量論的に希土類元素イオンがWO_3格子と結合した化合物を合成し, その蛍光特性を詳細に調べ, 従来不明であった輝度飽和中多色化の諸因子を解決する手掛りをえることを目的とした. [(EuOH_2)_3(W_5O_<18>)_3(SbW_9O_<33>]^<18>のK^+塩をEu^<3+>:Sb^<3+>:WO_4^<2->=3:1:24からなる水溶液中から合成しその結晶構造解析を行った. その結果, この化合物のアニオンは[Eu(H_2O)]_3からなるクラスターを中心として[W_5O_<18>]^<6->が3コ, [SbuW_9O_3]^<9->が1コ近似的に四面体配位したポリタングステン酸イオンの混合配位子ヘテロポリ酸イオンであることが判明した. Eu^<3+>の発光特性はf-f遷移による赤色の発光を示し, 励起スペリトルの温度依存性からO→WLMCT励起エネルギーのEu^<3+>への分子内エネルギー移動はW-O結合の振動モードにより散乱される為, 発光収率はEu^<3+>の周囲のWO_6八面体の数増加と共に減少し, 発光寿命は中心に配位しているH_2O分子による^5Doレベルの励起エネルギーの熱的損失のため, (1.1±0.2)msとやや小さかった. Eu^<3+>を含むその他のヘテロポリタングステン酸塩の発光特性との比較から, 本研究で見い出された蛍光体は, 発光都政は化学的に不安定であるが最も発光効率の高い/EuWoO_<34>)^<9->に匹敵する全く新しいヘテロポリ酸蛍光体であることが明らかとなった.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)