Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
1.コバルト, ニッケルヒドリドホスフィン錯体によるノーブテンの異性化 異常原子価の1価Ni錯体, NiX(PPh_3)_3(X=ハロゲン, SnCl_3)が末端オレフィンのシス選択的異性化の触媒になることをすでに認めている. ところが, 同じ構造をもつCo(I)錯体, CoX(PPh_3)_3がオレフィンの異性化能を全く示さなかった. Ni(I)錯体が活性を示すのは, Ni(I)錯体とオレフィンからニッケルヒドリドが生成することにあることが分かったので, 強制的に金属ヒドリドを生成させてCo, Niの反応特性を比較した. NaBH_4を2価金属錯体MX_2-(PR_3)_2(M=Co, Ni)と反応させ, 生成したMXH(PR_3)_2を触媒として1-ブテンの異性化を検討した. 活性はPR_3がPPh_3のときCo>>Niであったが, アルキル置換ホスフィンでは活性にほとんど差はなかった. ホスフィンを配位子とする触媒系では, Ni系のようにホスフィンの過剰による反応阻害がおこる例が多いが, Co-PPh_3系は逆に過剰による活性向上がおこり, 特異な現象が認められた. 2.ニッケル(I)錯体によるノルボルナジエンの反応 [Ni(PPh_3)_3]^+とノルボルナジエンを水素(窒素)中で反応させると, 水素化は全くおこらず, 重合がおこった. 同じ構造のコバルト錯体では, 特異構造をもつ水素化物と二量体が選択的に生成したが, Ni(I)錯体では, 平均30量体の重合物が得られた. モノマー間の結合部位はCo系と異なり規則性がなく, Ni(I)がラジカル様の反応性を示すことが分かった. 3.鉄(I)錯体の調製と反応性 鉄ホスフィン錯体の場合, 1価鉄錯体が溶液中で生成していると思われるが, 単離の段階で不均化がおこり, 1価錯体の単離に至っていない.
|