Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
Rhタルボニルクラスターを用い, 水性ガス変換反応条件下での新規な有機合成反応の開発を試みている. 私が見だした触媒系にて, 有機担体によりクラスター触媒を固定加し, 不均一系触媒として利用した結果について述べる. 固定化に用いたアミノ化ポリスチレンは1)クロロメチル化ポリスチレンのアミノ化, 2)クロロメチル化スチレンの重合後のクアミノ化の2通りにて合成した. 以下の反応に対する触媒活性には主にアミノ化段階でのアミノ化試剤の種類の影響が大きく, アミノ化率, 重合度は余り問題にならない. 1.水性ガス変換反応:種々のアミノ化ポリスチレンを用いて反応を行ない, 均一系と類似のアミン上の置換基効果が見られた. 触媒のクラスターは完全にポリマーに固定化され, 本変換反応はポリマー上で進行していることを確認している. 反応後の触媒の分離・回収は容易である. しかしながら, 再使用時に活性の低下であり, 今後の課題が残されている. 本反応の触媒活性種は〔Rh_<14>H(CO)_<25>〕^<3->と予想され, その生成経路をIR法を用いて推定した. これらのクアニオンクラターは高分子化したアンモニウムカチオンとイオン結合にて固定化されている. 2.ニトロ基の還元反応およびオキシムとヒドロキシアミンの脱酸素反応:これらの反応に対しても先の固定化触媒は活性を示した. 反応の活性種は〔Rh_6H(CO)_<15>〕^-種が予想される. 固収・再使用の触媒活性は余り低下しない. 本アミノ化ポリスチレンを用いる固定化法は均一系で不安定とされているクラスター種の単離が可能である. 今後, 適当なアミノ基を持ったポリマー担体を設計することにより, 新規な金属クラスターの合成への展開が期待できる.
|