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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
酸化錫, 酸化インジウム系の現在実用化されている透明導電性薄膜にかわる新しい材料として酸化亜鉛をとりあげ, プラズマCVDによって得られる酸化亜鉛薄膜を, スパッタリング法で作製されるものと, 比較検討した. 原料ガスとしては, ジエチル亜鉛と二酸化炭素を用い, これら原料ガスの分圧, 基板温度, プラズマ入力パワー, を変数として製膜を行い, 膜成長速度をタリステップ, 透明度を可視紫外域吸光スペクトル, 電気伝導度はアルミニウム蒸着電極により, 膜の構造を主としてX線回折, X線光電子分光法, 赤外分光法によりそれぞれ評価しした. 実験範囲においては, 光透明過率50〜100%面析抗率234Ω〜ギガオームの薄膜が, 0.5〜4.6nm/minの堆積速度が得られた. 結晶学的にはほとんどの膜がアモルファスZnO_2あるいは金属Zn混入のa-ZnOであり, したがって透明性は良好であるが電気伝導性は不十分である. 同じ, 低温プラズマ堆積法であるスパッタリング法を用いると最も良質のもので, 透過率88%, 析抗率10^<-2>オームcmが得られた. スパッタリング法でこうした良質膜を得ることができる条件は, スパッタされるZn原子の流束が, 基板温度におけるZnの蒸気圧に相当する場合に極めて狭く限定されている. こうした条件によって, ZnOに微量のZn原子が混入し, 格子間Znとなってキャリアである電子を供給するのであると考えられる. プラズマCVDにおいても気相中でジエチル亜鉛は, Znに解離していると考えられるので, Znの気相濃度が十分高く, 基板温度が高い条件を選ぶことによってスパッタリングと同様の良質の透過性導電膜を合成し得ると考えられる.
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