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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1.有核果の結実が少ない4倍体ブドウのピオーネ及びセンテニアルの子房と花柱を2時間, カンテン片上に置床した後花粉をまいて培養すると, その発芽は著しく阻害されるが, 結実の良いマスカットではその阻害は少なかった. 2.これらの品種の雌ずいを冷水で抽出, 低温で高速遠沈し, 粗抽出物を得て, これを適宜希釈してカンテン片をなじませ, 発芽テストを行うと, ピオーネとセンテニアルで強い阻害がみられた. 3.これらの水抽出物を凍結乾燥し, 各種の有機溶媒で順次抽出して花粉発芽テストを行った結果, 阻害活性はエチルアルコールと水で抽出された. 4.ピオーネの子房100gの水抽出物を凍結乾燥し, チャコールカラムに通し, アセトン, メタノール, 水で15フラクションに分画したところ, 5分画に阻害活性が分かれた. その内の#2フラクションをセファデックスLH20カラムに通し, メタノールで50フラクションに分画すると, #35〜37に活性が認められた. さらにこれらを中圧セルロースカラム(ベンゼンーメタノール, メタノール, 水)で14フラクションに分画すると, 活性の大部分はメタノール分画に含まれた. このフラクションの活性はMIS(最低阻害量)は約100μg/mlで, 3段階のカラムにより活性IIは約10倍精製された. また, これをTLCで展開したところ, ニンヒドリン反応する1つのスポットとフェノール硫酸で発色する2つのスポットが存在し, 再溶出, 花粉発芽テストの結果, フェノール硫酸反応スポットと阻害活性が一致した. したがって, ピオーネの子房に含まれる花粉管生長阻害物質は配糖体である可能性が強いが, 同定には至っていない.
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