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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
ダッチ・アイリスでは, 小球の開花率を高める効果をもつエチレン処理に伴い, 球内のエチレン生成酵素(EFE)の活性は高くなるが, エチレン生成の前駆物質である1-dminocyclopropane-1-carboxylic acid(ACC)の含有量にはほとんど差がみられなかった. 一方, 大球ではエチレン無処理でも, 30°Cの高温遭遇期間が長くなると開花率は高くなるが, その際EFE活性は全く変化しないが, ACC含有量は漸増する傾向を認めた. エチレン処理の前後に, 抗エチレン作用剤があるSilver thiosulphate(STS), 2.5-norbornadien(NBD), 及びエチレン生成の阻害剤であるaminooxyacetic acid(ACA)の浸漬処理を行い, その影響をみたところ, ダッチ・アイリスでは小球の開花率を高めるエチレンの作用がSTSによっては阻害されず, NBD処理により著しく阻害された. これに対し, 黄房スイセンではSTSの阻害効果は顕著に認められたものの, NBD処理の効果はみられないという対照的な結果が得られた. なお両種において, AOAのエチレン作用阻害効果はほとんど認められなかった. またACC浸漬処理により, ダッチ・アイリスでは小球の開花率が高まったが, 黄房スイセンでは全く効果がみられなかった. 他の花卉球根類については, チューリップでは34°C1週間, ニホンスイセンでは30°C2週間の高温処理後, エチレン気浴処理を行なうと, 貯蔵中の球内における花卉の分化開始及びその後の発達が早まること, チューベローズでは植え漬け直前のエチレン処理により中球の開花率がやや高くなることが, イキシアでは収穫後休眠中の球茎に対するエチレン気浴により1か月近く発芽が早まり, 著しい休眠打破効果のあることを明らかにした.
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