Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
沖縄県に古くから伝わる豆腐ようは, 木綿豆腐を乾燥したのち, 麹と泡盛(蒸留酒)を含む諸味に漬け込んだ熟成させたもので, チーズ様風味を有するユニークな大豆発酵食品として近年注目されるようになった. この食品は独特な興味あるフレーバーを有している. しかし, 製品のフレーバーに関する研究は少ない. 本研究者はこれまでに, 豆腐よう製造に適したMonascus属菌を検索し, 同菌株によるプロテアーゼ活性や色素生産性の高い紅麹の製麹法を確立した. また, この麹を使用することにより製品の色調や風味が著しく向上することを見出した. 本研究の目的は豆腐ようの品質改良に役立てる基礎的知地を得るために製品の香気成分を明らかにすることである. 本研究においては, Monascus属菌による紅麹を用いて豆腐ようの製造を行い, 減圧水蒸気蒸留法あるいはニッカーソンの連続抽出法により製品から揮発性成分を抽出, 乾燥, 濃縮して香気成分を得た. ガスクロマトグラフ(GC)及びガスクロトマグラフー質量スペクトル装置(GC-MS)などのデータより化合物の同定を行い, 以下の結果を得た. 1.紅麹による豆腐ようから50種類の化合物が同定された. 2.有機酸, アルコール, エステルの含量が高く, 香気の主成分と考えられた. 3.豆腐ように含まれている主な揮発性脂肪酸としてプロピオン酸, n-カプロン酸, n-吉草酸など, 4.主なアルコール類としてエチルアルコール, n-ブチルアルコール, n-プロピルアルコールなど, 5.エステル類として各種脂肪酸のエチルエステルなどがそれぞれ同定された. 6.豆腐よう中の含硫黄化合物はほとんど検出されなかった. 7.製品のオフフレーバー原因物質と考えられる化合物の中でn-ヘキサナール, n-ヘキサノール, フェノールなどの存在が認められた.
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