Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究では, 日本稲作の効率的な生産の可能性について, 機械利用, 圃場条件, 水稲作期, 品種, 組織などの多面的な視点から, 岩手県松尾村をフィールドとして現地調査等も実施しながら検討を加えた. 現時点での作業体系, 圃場条件, 現有機械のもとでコストダウンを実施するためには機械関係の費用を下げることが重要である. 本研究ではまず現在の同村の圃場条件を前提としてどれだけの農業機械が必要となるか, そのミニマムの台数を求めた. 次いで圃場整備の水準を上げた場合, その台数がどの程度変化するか検討した. また, その中で, 機械の稼働時間を可能な限り延長する必要から, 耕起, 代かき, 田植, 刈取りの労働のピーク時については, 3交替24時間体制についても検討した. 品種と作期については, 現行のアキヒカリ(中生系)とタカネミノリ(早生系)を組み合わせ, さらに同村の標高差を利用することにより, どれだけ作業の適期の幅を広げることができるかを検討した. また, 本研究では, その目的から実際に稲作に従事している農家の意向も重要な要素となるが, 同村の稲作農家全戸を対象にアンケート調査を実施した. アンケート調査の結果からは, 同村の稲作農家が現在の稲作を取り巻く政治経済的・社会的現状に行き詰り感を強く感じ, 何らかの打開策を希求しており, そのひとつとして本研究の対象として検討してきた超低コスト稲作組織に関心を寄せていることがわかった. しかし今後とも個人経営で稲作を続けたいとする農家層がある事もわかった. 組織の開発においてはこれらの農家をどう取り込んでいくかが課題となる. その他に, 松尾村の農業集落カードによる統計分析を行い, 稲作組織を構築する場合に中心となりうる集落について検討した.
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