ウシ白血病における免疫複合体性系球体腎炎の発症機序に関する免疫病理学的研究
Project/Area Number |
62560299
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎獣医学
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
吉川 尭 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (80050467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 敏文 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (20160947)
吉川 博康 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (70101516)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
ウシ白血病はウシ白血病ウイルス(BLV)感染に起因するリンパ球の腫瘍性疾患である. 発症牛には糸球体腎炎の発生がみられる. そこで, 自然発生白血病牛85例の腎臓について, 光学顕微鏡, 電子顕微鏡および免疫組織学的に検討し, その病態発生について考察した. (1)病理組織像:糸球体病変をWHO分類に従って検討した. その結果, Miner glomerular abnomalities17例(20%), focal glomernlonephritis31例(36.5%), diffuse golmerule nephritis32例(37.6%), heavy diffuse glomerulomephritis5例(5.9%)に分類された. 光学顕微鏡的に, 糸球体はいづれの型も, 腫大膨化し毛細血管壁およびメサンギウム基質の著るしい硝子様肥厚を示していた. それら硝子様物質はマロリー染色で青染しPAS染色で赤染された. 以上の形態所見から, 白血病罹患牛の腎における膜性糸球体腎炎の存在が明らかとなった. 電子顕微鏡観察で肥厚した糸球体基底膜および内皮側メサンギウム基質に大小不整形の高電子密度物質が認められた. メサンギウム細胞および内皮細胞は, しばしば変性萎縮を来たし時折大型球形の高電子小体が胞体内に形成されていた. 免疫組織学的検索で糸球体係蹄壁に明らかなlgG, lgMおよびC_3の沈着が認められた. それらは概ね傍メサンギウム領域および基質を中心とした糸球体基底膜に沿って顆粒状に沈着していた. またlgGおよびC_3のFITCローダミン標識二重染色で, 同一部位に同じパターンの沈着傾向を示した. ウシ白血病ウイルス抗原および腫瘍関連抗原を用いた酵素抗体法検索では染出されなかった. 以上の研究から白血病牛の腎には膜性糸球体腎炎が高率に認められることが明らかにされ, その病態は免疫複合体性系球体腎炎であると見做された. また免疫複合体物質はlgMの関与する大分子量から成る可能性が示唆された. 本病変の存在はウシ白血病における免疫異常を示唆するとともに, 病理発生の解明に重要な意義を有している.
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Report
(1 results)
Research Products
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