外分泌腺腺房細胞の細胞内pH調節とH+イオン輸送の研究
Project/Area Number |
62570036
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 禎隆 東北大学, 医学部, 講師 (80004670)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 外分泌腺 / 涙腺 / 唾液腺 / 細胞内pH調節 / イオン電極法 / 顕微蛍光測光 / Na-H交換輸送 / HCO^3-Cl交換輸送 |
Research Abstract |
1.外分泌腺の腺房細胞内pH調節のメカニズムとして以下の成績を得た. 実験は, マウス涙腺摘出標本を表面潅流しつつ, 二連式イオン電極を腺房細胞に刺入し細胞内Na, H, Clイオン濃度を経時的に測定することにより行った. 我々がこの組織に見出したNa-H交換輸送およびHCO_3-Cl交換輸送それぞれの担体機構の特性を解明するために, 腺房細胞外へのHまたはHCO_3イオン輸送速度に対する細胞膜内外のイオン環境の影響を調べた. 2.Na-H交換輸送は細胞外液Naおよび細胞内液Hイオンにより促進され, 細胞内液Naの増加により抑制された. 輸送速度はミカエリスーメンテン キネティクスに従い, 最大輸送速度は13mM/minで外液のNaに対するミカエリス定数は約50mMであった. 細胞内Hイオン濃度に対してはpH6.8でほぼ半飽和速度となり, pH7.3以上では輸送速度は極小となった. 3.HCO_3イオン輸送速度は細胞外Cl濃度の増加により促進され, 最大速度は5mM/min, Clイオンに対するミカエリス定数は約50mMであった. またHCO_3-Cl交換輸送は直接的にNaイオンにより促進されることを示す所見を得た. 4.マウス顎下腺腺房細胞を単離して培養し, 1週間後に単層コロニーを得た. 培養細胞にpH蛍光試薬BCECFを負荷し, 蛍光顕微鏡-SITテレビカメラー輝度計を用いて, 励起波長490nm, 蛍光波長520nmで測光した. 表面灌流液中の炭酸ガス濃度変化あるいはNH4塩の投与により, 蛍光強度の変化が生ずることを観察した. しかし細胞内のHの絶対値測定のための較正法および経時的蛍光褪色の対策など未解決の技術的問題が残っている.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)