Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
腹側呼吸群の吻側にある領域 Botzinger complex(BOT)のニューロン群の中で, これまでの我々の研究から抑制性せある事が示唆されている漸減型の吸息性ニューロンを中心に下記の研究を行なった. 吸息性ニューロンから細胞内記録を行ない, 呼吸性活動に伴うシナプス入力の性質とその時間的変化を調べた. その後HRPを細胞内に注入し細胞形態と軸索投射の解析を行なった. かつこのニューロンのスパイクを細胞外から記録し, 系統的に逆行性微小電流刺激法を用いて軸策投射の解析を行なった. ついで抑制を受けていると思われる吸入呼息性ニューロンより細胞内記録を行ないそれと同時記録された漸減型の吸息性ニューロンのスパイクでトリガーし, 膜電位を加算平均することによりニューロン間の結合の有無を調べた. その結果これらの呼息性ニューロンは, 1.吸息相の開始時に数十ミリ秒先行してバースト状に発火し, その時間経過はBOTの呼息性ニューロンに対する抑制のそれと一致した. 2.対側に軸索を送ると同時に同側のBOT領域ならびに腹側呼吸ニューロン群の領域で広範囲に分岐し終末ボタンを分布していることがHRPの細胞内注入法により判明した. 3.また対側に於ける軸索の様子は逆行性微少電流刺激法より調べたが, 対側の脳幹にも投射していることが明らかとなった. 脊髄には軸索を送っていなかったが, 腹側呼吸群とBOTに広範囲に投射していることが示された. 4, そこで同時に記録された対側のBOT漸増型呼息性ニューロンの細胞内電位を吸息性ニューロンのスパイクを基準に平均加算すると単位性の抑制性シナプス後電位(IPSP)の存在が示された. すなわち漸減型の吸息性ニューロンが抑制性であり, BOT呼息性ニューロンを抑制しているこが示された. このことより, BOTの漸減型の吸息性ニューロンが呼吸リズム生成に対して重要な寄与をしている可能性が示された.
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