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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
真核細胞の糖蛋白質のうち, アスパラギンに結合している糖鎖の生合成にはmannosylphosphodolichol(Dol-P-Man)が反応中間体として重要であることが明らかにされている. 我々は既にDol-P-Man合成を触媒する酵素をニワトリ肝ミトコンドリアから可溶化し, その性質を報告したが, 今回Dol-P-Manを分解する酵素がニワトリ肝ミクロゾームとミトコンドリアに存在することを初めて明らかにした. この酵素の触媒作用によって, Dol-P-Manからmannoseが生成される. 酵素をミクロゾームからエマルゲンー909を含む緩衝液によって可溶化し, DEAE-cellulose及びSepharose 6Bを用いたクロマトグラフィーによって約58倍に精製した. 酵素はSH基保護剤を必要とし, これが無いと非可逆的に失活した. 反応にはCaCl_2の添加が必要であった. Dol-P-Manに対するKm値は0.43μMであった. 反応はDolichyl phosphateにより拮抗的に阻害され, そのKi値は12.5μMであった. 部分精製酵素はN-acetylglucosaminyldiphosphodolichol,glucosyl phosphoryl dolichol,mannose-l-phosphateには作用せず, またmannosidase,glucosidase,acid phosphatase,acid phosphodiesterase活性は示さなかった. この酵素を安定化する熱に安定な蛋白質と思われる物質が分離されたが, 性質の詳細については検討中である. またこの酵素がDol-P-Man量の調節に関与する可能性についても検討中である. 設備備品として購入したマイクロ冷却遠心機とロータリーシェイカーは酵素活性測定の際に, また電気泳動用電源(クロスパワー)は反応産物の分離同定などに有効に利用されている.
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