カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIによる微小管とアクチンの相互作用の調節
Project/Area Number |
62570124
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience (1988) Asahikawa Medical College (1987) |
Principal Investigator |
山内 卓 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学・副参事研究 (90041813)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アクチン / 微小管 / カルシウム / カルモデュリン / 蛋白質リン酸化 |
Research Abstract |
脳における微小管は、神経伝達物質の分泌、神経細胞内の物質輸送、刺激の伝達、シナプスの可塑性などのダイナミックな神経活動に重要な役割を果していると考えられている。申請者は微小管蛋白質のうちのMAP2がカルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)の基質となること、および生理的な濃度のCa^<2+>カルデュリンの存在下でキナーゼIIの作用によって微小管が脱重合することを見出した。この重合脱重合の調節はキナーゼIIによるMAP2のリン酸化によって行われることが明らかとなった。一方、微小管とミクロフィラメントすなわちアクチン繊維の相互作用も又、神経細胞のダイナミックな働きを調節している可能性が考えられる。そこでキナーゼIIによるMAP2のリン酸化とアクチンの相互作用との関係を明らかにすることが神経機能の調節を解明するために重要と考えられ、この点をさらに詳しく調べた。すなわち、MAP2はアクチン繊維と cross-lin にしてアクチンのゲル化を引き起すが、MAP2をキナーゼIIによりリン酸化するとMAP2のアクチンのゲル化活性は完全に消失した。ゲル化活性はMAP2のリン酸化量が増すにつれて大きく減少した。MAP2は1モル当り最大約10モルのリン酸化が起るが、このときアクチンのゲル化活性は完全に消失した。リン酸化したMAP2をプロテインホスファターゼの作用により脱リン酸すると、アクチンのゲル化活性は完全に回復した。従ってキナーゼIIによるMAP2のリン酸化とプロテインホスファターゼによる脱リン酸化によって微小管とアクチンの相互作用が可逆的に調節されることが明らかとなった。一方MAP2のリン酸化はAキナーゼやCキナーゼでも触媒されることが知られているが、それらのキナーゼの作用と比較した場合Aキナーゼが最も弱く、キナーゼIIとCキナーゼがほぼ同等の作用を示したことから、Ca^<2+>による微小管とアクチン繊維の相互作用の調節が重要であることが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)