Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究はヒト免疫系の老化の最も重要な因子であるT細胞機能の老化に伴う変化を明らかにし, その回復を促す見出すことを目的としている. 今回はT細胞分裂繰り返し能に的にしぼり, 最も再現生と信頼生の高い検査方法の確立を目ざした. 研究計画としては, (1)老人及び若年者よりT細胞を分裂精製し, 各サブモットに分け, 各サブセットの分裂増殖能を, イオノマイシン及びPMA存在下に^3H-TdRの摂取によって測定する. (2)T細胞の分裂増殖に最も深く関与しているIL-2産生, IL-2レセプター発現について解析する. (3)IL-2産生能, IL-2レセプター発現能に関与している諸因子Ca^<++>プロティンキナーゼC, raf-, myc-, mub-mRNAの動態などについて老化に伴う変化を明らかにする. (4)種々の免疫増強剤(サイモシン, サイモペンティン, cws, Biostinなど)の老化Tリンパ球に対する回復効果と作用を明らかにするというものであった. 結果として, (1)老化に伴うリンパ球の分裂繰り返し能において, サブセットによってていどうが異っていることが明らかになった. 低下の程度は, T-8(D8)陽性T細胞, T-4(CD4)陽性T細胞, B細胞の順に著しかった. (2)老化T細胞のIL-2産生能は若年者の10分の1に低下・IL-2レセプター発現能は3分の1に低下していた. IL-2レセプターを構成しているサブユニットであるα鎖及びベータ鎖は共に老年者では低値であった. (3)イオノマイシンをPMA刺激後のc-mycの動態に遅延が認められた. またc-myc遺伝子の脱メチレーションのレベルが老化Tリンパ球で亢進しており, T-8陽性T細胞でより著しかった. (4)計画(4)に関しては, 今回着手することが出来なかった. すでに再現性と信頼性のある系が確立出来たので, これを用いて今後も予算的な条件が許せば継続してゆきたい.
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