Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1989: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1988: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1987: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
硬性胃癌で癌間質にび慢性に基底膜コラ-ゲン(IV型コラ-ゲン)が出現する。我々は硬性胃癌におけるIV型コラ-ゲンの役割を明らかにする目的で,基底膜コラ-ゲン成分であるIV型コラ-ゲン,ラミニン,ヘパラン硫酸プロラオグリカン(HSPG)に対する抗体を用いた免疫組織学的検索を行なった。又IV型コラ-ゲンcDNAを用いたHisto in situ hybridization法によるIV型コラ-ゲン産生細胞の検索を行なった。 抗体を用いた免疫組織学的検索により硬性胃癌の癌間質にび慢性に出現するのは,IV型コラ-ゲンのみであり,他の基底膜成分であるラミニンHSPGは出現せず,癌間質中の毛細血管基底膜にのみこれら3成分が認められた。又,マウスラミニンを用いた接着試験の結果,癌間質中のラミニン,HSPGを含まないIV型コラ-ゲンはラミニン接着能を有する事が明らかにされた。IV型コラ-ゲンcDNAを用いたHisto in situ hybridizationは,米国,アップジョン社のDr.Linda Woodより供与を受けたマウスのIV型コラ-ゲンα1鎖cDNAを用い,Digoxigenin labeled probeを使用して行なった。結果癌細胞にIV型コラ-ゲンmRNAの分布が認められた。 これらの結果より,胃硬癌細胞によるラミニン,HSPGを含まないIV型コラ-ゲンの産生が示唆された。現在癌転移に関する理論として,Liottaらの言うラミニンレセプタ-を介する血行性癌転移が知られているが,本研究からは,これを積極的に支持する所見は得られず,むしろIV型コラ-ゲンレセプタ-が胃硬癌の転移に関する可能性が考えられた。
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