心房性頻拍症の発生機序、治療に関する研究〜直接法洞電位記録を利用した新しい解釈
Project/Area Number |
62570386
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 敬 東京大学, 医学部, 助手 (30010531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 富士子 東京大学, 医学部, 助手 (60142254)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1988: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 心房性頻拍 / 洞結節電位 / 電気生理 / 洞不全症候群 / 発作性心房性頻拍症 / 発作性上室性頻拍症 / 洞房伝導時間 |
Research Abstract |
日常臨床上、動悸を主訴とする患者をホルター心電図法により分析、その原因のうち心房性頻拍症に注目し、下記の研究を試みた。1)ホルター法心電図記録による発生頻度、その様式の研究。2)直接法洞結節電位記録を含む電気生理学研究による発生機序の解明。結果1)ホルター心電図による分析:動悸を訴える症例80例のうち、心房頻拍と考えられる症例は3例であり、他は頻度の順に、心室性期外収縮、心房性期外収縮、一過性の心房細動、洞性頻拍であった。記録された心房頻拍の持続時間は、いずれも10-20秒程度と一過性で短く、自覚症状は認められなかった。2)電気生理学的研究:洞不全症候群、洞性頻脈を含む70例の直接法による洞結節電位記録を分析した。直接法による洞房伝導時間は洞不全症候群では正常群に比較して有意に延長しており、従来の間接法による測定と比べ、検出率、陽性率共により有用であった。心房性頻拍例では早期刺激による誘発は成功しなかった。心房性期外収縮例では早期収縮後の洞結節電位、直接法洞房伝導時間は心拍ごとに、呼吸性とは明らかに異なる変動を認めた。考察)Wuらによると、異所性心房頻拍と回帰性頻拍との鑑別法としては、突発性であること、発作第1拍のP波形の形、間隔の変化などを記載しており、診断にはこれらを参考とした。上室性の頻拍のうち、異所性の自動能亢進による心房頻拍は4%とされ、心房内のリエントリーによるものが10%とされていることに比べて頻度は少ない。しかしこの頻度は上室性頻拍としての分類であり、ホルター法による検査では、我々の症例のごとく持続時間は短く自覚症状の無い症例が、高頻度に発見されることが予想される。今回の診断例では心房性頻拍の持続時間はいずれも短く、電気的生理学的検査での誘発は不可能であり、発生機序の解明が不十分であった。今後更に症例を重ねる必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)