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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
心筋炎実験モデルにおいても, モノフローナル抗体を用い免疫組織学的方法により心筋病変の浸潤リンパ球の解析, レーザーフローサイトメトリーにより末梢血リンパ球の解析を行ない, 心筋炎の慢性化, 進展とリンパ球サブセットの変化との関連を検討した. 4週令BALB/Cマウスにencephalomyocarditis(EMC)ウイルスを接種し心筋炎を作製し, 酵素抗体法により心筋内リンパ球の同定を行なった. ウイルス接種8日後にはT細胞(Thy1,2陽性細胞)は浸潤単核細胞の17.4%, helper/inducer T細胞(Lyt1陽性細胞)は8.3%, cytotoxic/suppressor T細胞(Lyt2陽性細胞)は1.8%であり, 第14日では, Lyt1,Lyt2陽性細胞とも増加傾向を示した. 末梢血リンパ球サブセットの検討では, ウイルス接種7日後にhelper/inducer T細胞の減少, helper/suppressor比の低下がみられたが, cytotoxic/suppressor T細胞には有意な変化はみられなかった. 心筋炎に対する免疫抑制療法の効果については未だ一定した見解に達していない. そこでBALB/CマウスにおけるEMCウイルス性心筋炎モデルにおいてプレドニソロン投与の影響について検討した. ウイルス接種4日後および8日後より10日間プレドニソロン10mg/Kgを投与した. 主としてhelper T細胞を抑制することが知られている強力な免疫抑制剤であるサイクロスポリン(25mg/Kg)をDBA/2マウイにおいてEMCウイルス接種7日後および21日後に投与を開始した. EMCウイルス性心筋炎では, プレドニソロン, サイクロスポリンによる免疫抑制療法は, いずれも急性期では心筋炎を増悪し, 亜急性期での投与でも心筋炎に対する改善効果は認められず, 心筋炎に対する免疫抑制療法の適否に関してはさらに慎重な検討が必要であると思われる.
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