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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
接触光過敏症は遅延型アレルギーの一型である. 我々は免疫担当細胞間相互作用及びH-2遺伝子ハプロタイプが明らかなマウスにおいて実験的接触光過敏症誘導法を確立した. 感作成立には感作物質塗布と長波長紫外線(UV-A)照射を必要とする. 一方, 短波長紫外線(UV-B)前照射部位では感作成立が抑制される. これら感作不成立マウス脾には過敏症のafferent limbを抑制する抑制性T細胞が存在する. 我々はこの抑制性T細胞の抗原特異性, 表面形質及び抑制性T細胞由来の可溶性因子である抑制因子について免疫学的に検討した. 1.テトラクロロサリチルアニリド(TCSA)接触光過敏症抑制に関与する細胞の抗原特異性及び表面形質の決定:UV-B前照射によるTCSA接触光過敏症不成立マウスより得た脾細胞を正常マウスに注入したのち, TCSAとは関連性のないハプテン, ジニトロフルオロベンゼンで感作したところ, 過敏症は成立した. これは抑制性T細胞はハプテン特異性が高いことを示している. また, 脾細胞を注入前に抗Ly1^+抗体, 抗Ly2, 3^+抗体あるいは抗L3T4抗体と補体で処理し, 抑制細胞の表面形質を検討した. 抑制細胞はLy1^+, Ly2, 3^-, L3T4^+T細胞であった. 2.抑制因子の抽出:感作不成立マウス脾細胞, 胸腺細胞をfreeze-thawingにて破壊, 遠沈後, 得た上清を連日投与しつつTCSA光感作を行ったところ, TCSA光惹起は抑制されたが, TCSAによる単なる惹起はみられた. これは抑制因子が光ハプテン特異的であることを示している. さらに抗Ia抗体アフィニティーカラム及びTCSA-BSA光ハプテンアフィニティーカラムへの吸着性を調べたところ, 抑制因子はIa陽性でハプテン結合部を持つことが判明した. これらの結果より, UV-B前照射により生じた抑制性T細胞は, 光ハプテン結合部を持つIa産物を抑制因子として産生放出し, 接触光アレルギーを抑制することが判明した.
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