Project/Area Number |
62570543
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加納 正 京都大学, 医学部, 講師 (50093224)
|
Project Period (FY) |
1987 – 1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
|
Keywords | 骨髄腫細胞 / 形質細胞 / poly(ADP-ribose) / 核小体 / J鎖 / 貪食性骨髄腫細胞 / 空胞性骨髄腫細胞 / アミロイド線維 |
Research Abstract |
形質細胞の単クローン性増生は常に腫瘍性格を有するとは限らない. 形質細胞の腫瘍性格発現の客観的指標を求めて次のような事項について検討した. 1.poly(ADP-ribose)合成能について 骨髄腫細胞はpoly(ADP-ribose)合成能が高く, 蛍光抗体法を用いてほとんどの細胞に証明されることを明らかにした. 一方, 良性単クローン性免疫グロブリン血症では単クローン性形質細胞の約10-15%に証明されるに限ざない. 今後, 良性型より骨髄腫に移行する例について経時的変動を追跡したい. 2.核小体局在性J鎖について 骨髄腫細胞の核小体にJ鎖が局在することを免疫蛍顕的に証明した. この現象と臨床像との関係について考察した. 末期骨髄腫例では核小体を有する骨髄腫細胞の94-100%に核小体局在性J鎖を証明した. 末期に至らない骨髄腫例ではこの割合が0-58%であり有意差を示した. J鎖陽性の大きい核小体は激症型骨髄腫の指標になると考えられる. 今後, 核小体J鎖と細胞質J鎖の関係が問題となる. 3.形質細胞の空胞形成と貪食能について 骨髄腫細胞が血球を貪食し, その後に室胞形成を示すことに注目した. またμ鎖病にみるように骨髄腫細胞の空胞化が著明で, ここにライソゾーム酵素反応を認めることを証明した. このように骨髄腫細胞のあるものは貪食能を有する. この機能を形質細胞の腫瘍性格は密接に関連しているように考えられる. 今後, 貪食現象, 空胞化過程における詳細な生化学反応を考察する必要があろう. 4.骨髄腫細胞内におけるアミロイド線維形成について 稀にみられるこの現象は先の貪食能と密接に関連する, アミロイド症の生因に新しい視点を与えるものである.
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)