部分膵移植におけるグラフト内血栓の発育機序とその防止に関する研究
Project/Area Number |
62570607
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
田村 勝洋 島根医科大学, 医学部, 講師 (80155259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 恵司 島根医科大学, 医学部, 助手 (50160908)
小野 純一 島根医科大学, 医学部, 助手 (90169334)
樽見 隆雄 島根医科大学, 医学部, 講師 (10135907)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 部分膵グラフト / 脾動脈流量 / 膵組織血流 / 血栓 / 遠位脾動静脈瘻 / 尾側膵自家移植臨床例 / denervation / 膵内副交感神経支配 |
Research Abstract |
部分膵移植におけるグラフト内血栓の発生の原因についてグラフト血流面から実験的に研究し, 更にその予防について遠位脾動静脈瘻が有効であることを実験的に証明した. 実際に尾側膵自家移植臨床症例3例に応用し良好な結果を得た. 犬を用いて部分膵グラフト作成に準じてin situでの膵左葉遊離片を作成したところ, 脾摘に伴い, 脾動脈流量は激減した. これに遠位脾動静脈瘻を附加すれば脾動脈流量は脾摘前値より更に高値にまで回復した. 同時に測定したグラフト膵組織血流は脾動脈流量と平行して変化した. 即ち, 部分膵グラフト作成時の遠位置脾動静脈瘻附加はグラフトの血管および組織血流を高値に保ち, 血栓予防, 機能維持に有利と思われた. 次にこのモデルにおいてcuffocculderを用いて人為的に一定の血管流量低値に保ったところ膵組織血流量は進行性かつ不可逆性の低下を示し, 組織学的検索では膵の微小血管内に異常血球集簇を認め, これが微小血栓に成長する可能性が示嗟された(第87回外科学会総会, 第23回日本移植学会総会, 第12回膵移植談話会発表). これらグラフトの血管, 組織血流の低下ひいては血栓形成予防に対して遠位置脾動静脈瘻は有効であり, これを応用した臨床膵自家移植3例でも長期的に有効であった(第31回日本消化器外科学会総会ワークショップ発表). また, 移植膵の神経支配について移植により膵外神経が完全にdenervateされても膵内副交感神経支配は依然として残存することを実験的・臨床的に研究発表した. (第23回日本移植学会総会, 第12回脾動脈移植談話会発表). 現在, 膵グラフトの血栓症や移植膵炎, 拒絶などの膵組織血流障害を伴う病態においてトロンボキサンB_2・プロスタサイクリン比が上昇していることを研究証明中であり, グラフト保存の時点でこれを予防する方法を研究開発中である.
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)