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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
犬において, 開腹して長さ約8cmの遊離空腸片を採取し, 空腸片の動静脈を甲状腺動脈および頚動脈は顕微鏡下に吻合し, その犬の頚部気管を10気管軟骨輪含めて管状切除したあとに, この空腸片を代用気管として挿入した. 代用気管の内腔を保持するためにgore-tex管あるいはT-tubeを用いた. 上記の実験によって以下に述べる結果をえた. 1.血管吻合した遊離空腸は生着し, gore-tex管あるいはT-tubeで内腔を保持すれば代用気管として機能することができた. 2.無処理の空腸片では消化液の分泌のコントロールが困難で, そのために肺炎を発症するものが多かった. 上述の成績をえて, 次の基礎実験を行った. 3.開腹して長さ約6cmの空腸盲管を4個作り, これを有茎のまゝ腹部皮下に埋没した. 4.空腸盲管には種々の操作を加えた. すなわち, a.粘膜面を硝酸銀で焼灼する. b.粘膜を剥離する. c.粘膜を剥離し, さらに創面を電気メスで焼灼する. d.コントロール. 4個の盲管にはシリコンチューブを予め挿入しておき, 経時的に盲管内の分泌液の量を測定した. この基礎実験により, 空腸粘膜を剥離して創面を電気メスで焼灼する方法が移植空腸の消化液の分泌をもっとも抑制することが分かった. 5.遊離空腸をその粘膜を剥離して創面を電気メスで焼灼した後, 頚部気管の欠損部に移植し, 内腔を保持するこめにT-tubeを挿入した実験犬は術後早期に衰弱で死亡したものを除くと全例長期生存した. 空腸内にステントとして挿入したgore-texは固定が難しく, さらに検討を要すると思われた.
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