NMR法による椎間板内不凍水と水分子自己拡散の定量的解析
Project/Area Number |
62570689
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
岩破 康博 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10079858)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 斎 (長谷 斉) 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00172883)
|
Project Period (FY) |
1987 – 1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1988: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | NMR / 椎間板 / 不凍水 / 水分子自己拡散 |
Research Abstract |
昭和62年度に完成したNMR法による水分子自己拡散係数測定装置は試験的に運転中であり、本装置を用いて牛尾椎々間板、牛膝関節前十字靱帯を試料として水分子自己拡散係数を測定した。屠殺直後の成牛尾椎の椎間板を適出し、髄核と線維輪に分け、線維輪はさらに前方、前側方、側方、後側方、後方の各部分に分割した。これらの各部について試料中の水分子自己拡散係数を測定した。水分子の拡散は髄核部分で大きく、1.6×10^5cm^2/secであった。線維輪では各部位別に有意差はみられず、平均1.2×10^5であった。拡散係数は試料中の水分含有率と正の相関がみられ、水分含有率の増大に伴なって拡散係数の増加がみとめられた。線維輪はコラーゲンの豊富な組織であるため、線維成分に由来する拡散係数の異方性について測定した。すなわち、線維輪の層状線維方向に平行あるいは垂直に傾斜磁場を加えて拡散係数を測定したが、拡散係数の異方性に有意な差は観察されなかった。一方、靱帯組織においては拡散係数はコラーゲン線維の配向に対応する異方性が観察され、維維方向とその直交方向では約10%の差がみられた。椎間板線維輪と前十字靱帯の間に異方性の有無に差違が生じた。このことは線維輪がコラーゲン間にプロテオグリカンを保持しており、グリコサミノグリカンの微細な立体構造と陰性荷電が水分子の自由な拡散を制限しているためと考えられた。線維輪の各部位別の拡散係数に差がなく、線維方向に拡散が影響されないことは髄核の水分出納に線維輪は全周性に均一な緩衝帯として存在していると考えられた。 NMR法による椎間板内不凍水の定量は、温度可変NMRプローベの試作が終了し、液体窒素を用いて冷却空気を試料に送気して試料温度を調節することが可能となった。試料温度のモニターとNMR測定中の試料温度の安定化のために装置に改良が必要である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)