Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
〔目的〕眼球内および眼窩内腫瘍の臨床磁気共鳴画像(MRI)の正しい解読を摘出標本の形態学的ならびにT_1, T_2緩和時間の測定分析により確立する. 〔対象および方法〕症例は網膜芽細胞腫2例, 眼窩内神経鞘腫2例, 神経線組腫1例, 悪性リンパ腫2例, 涙腺腺様嚢胞癌1例, マイボーム氏腺癌1例, 横紋筋肉腫1例, 眼窩炎性偽腫瘍1例の計11例である. これらの症例において手術中に摘出腫瘍の一部を直径5mmのNMR用サンプルチューブに採取し, 直ちに-75°Cで急速凍結して保存しておいたものを測定直前に室温におき, NMRスペクトラム解析装置(Bruker社製 Mirispec PC-20)を用いてそのT_1, T_2緩和時間を測定した. また同一腫瘍の一部を光顕にて組織学的に検索した. 〔結果〕各腫瘍における測定結果を表1に示す. 同一の病理組織学的診断を得たサンプルでは近似した計測値を示し, 組織診断とMR診断はいずれもその診断能の信憑性が高いことが示唆された. 一般的に悪性腫瘍では緩和時間の延長が認められるというが, 今回の結果では必ずしも悪性度とT_1, T_2緩和時間の延長度との相関は明きらかではなかった. 一方炎性偽腫瘍ではT_1, T_2共に著明に短縮しており従来の報告とよく一致する結果であった. 以上より, 摘出したサンプルのin vivoでのT_1, T_2緩和時間の測定結果はMRIの解読に際し有用な情報を提供してくれるものであると云える.
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