遺伝性視覚障害モデルマウスの育成とその病変成立過程のキメラ作成による解析
Project/Area Number |
62570796
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小田 銑一 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (60023660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 清 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70023653)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | マウス / ミュータント / 小眼症 / 白内障 / 視覚障害遺伝子 / キメラ |
Research Abstract |
マウスの視覚障害遺伝子は多数報告されている. その中で水晶体のみが変性し, 小眼症を呈する第一染色体上の優性遺伝子Eye lens obsolescence, Eloについて, 集合キメラを作成し, その遺伝子発現について考察した. マウスは(1)C3H/HeSlc-C/C, +/+ 雌とF1(Slc:ICR X C3H/HeNem-Elo)-C/c, Elo/+雄 (2)Slc:ICRとSlc:ICR (3)精管結紮した雄とSlc:ICR雌を用意した. (1)と(2)から妊娠2日(0日起算, 8細胞期)胚を卵管より取り出し, 両胚を凝集させ1日培養した後, これらの胚を(3)の偽妊娠雌子宮に移植した. 19匹の偽妊娠マウスに272個の胚を移植したところ, 16匹(84.2%)に231個(84.9%)が着床し, そのうち83匹(35.9%)が出生した. 83匹のうちキメラ(毛色と網膜色素によって判断)は38匹(45.8%)であった. キメラ固体のうち分析しえた33匹は18匹(54.5%)が白内障(または小眼症)であり, 15匹が正常であった. (1)の交配から得られる胚はElo/+と+/+の遺伝子型が1:1になるので, 得られたキメラの約50%が異常であったということはElo/+の細胞は全て白内障(又は小眼症)の原因になっていると推定される. キメラの程度は生後30日齢に毛色, 網膜色素の割合から判定した. 眼球については連続切片を作成し, 水晶体の変性の程度, 網膜色素細胞の分布について観察した. その結果, 色素をもった部位が多い程, 水晶体の変性は著しく, 面積の30%程度の色素分布があれば小眼症を呈し, Elo型水晶体異常, すなわち水晶体線維細胞の変性, 水晶体嚢の破綻を示した. 一方, 白内障は5%程度の色素分布面積の場合でも観察された. 白内障は中心性で線維細胞の走行の乱れが観察された. Elo細胞が少数の場合は, 水晶体核で遺伝子発現がみられ白内障を発症させる. Elo細胞が多くなれば正常細胞が存在しても水晶体全体の変性崩壊に導くことが判明した. このことからElo細胞は水晶体内では正常細胞によってrescueされないといえる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)