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¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
動物パルオキシソームの機能は主に脂質の代謝, グリオキシル酸の解毒, プリン代謝, アミノ酸の代謝などである. これらの機能は主に肝臓のペルオキシソームで研究された. 肝臓, 腎臓以外の組織では小型でカタラーゼ活性を含有するマイクロペルオキシソームが存在し, その機能はほとんど不明である. 一方口腔領域におけるペルオキシソームに関する知見は全くない. ペオキシソームに含まれるカタラーゼが活性酸素の一つであるH2O2を消去することやアスピリンをはじめとする抗炎症剤が肝ペルオキシソームを増殖させることからペルオキシソームは口腔領域においても歯固病やう蝕や口腔癌などの口腔疾患と密接な関係があると考えられる. 口腔領域のペルオキシソームの構造と機能を明らかにする目的で以下の実験行った. ラットの口腔組織のうち, 歯髄, 歯根膜, 歯固組織及び唾液腺(耳下腺, 舌下腺, 顎下腺)について, 等張溶液でホモジナイズし, 庶稽密度勾配遠心法により細胞を分画しペルオキシソームの有無, 形態及び諸性質を調べた. いずれの組織においても密度1.23〜1.25のところにカタラーゼ活性が検出されたが尿酸オキシダーゼの活性は検出されなかった. また電顕微的には結晶構造物(コア)を含まない小型のペルオキシソームであった. これらはマイクロペルオキシソームであることが示唆された. またラットの口腔に実験的にう蝕をつくり, 上記の各組織におけるペルオキシソームの分布, 形態, 数について正常のラットと比較したが, いずれも著しいちがいは認められなかった. 現在, ウサギの上顎洞癌(VX_2カルシノーマ)の組織について実験中である.
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