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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
Piperidineが睡眠関連growth normone pro/actineを遊離させる作用をもつこと, Piperidineの睡眠誘発作用に脳内opioid peptideが一部関与することを既に報告した. これらの知見を基に, 今年度は特にPiperidineが下垂体分泌細胞の興奮性にどのような影響を与えるかを微小電極法及び微小電気泳動法により検討した. 従来, 下垂体における電気生理学的検討は極めて少なく, 先ず, invivoでの活動電位記録記録法を確立することに意を注ぎ, 後蝶形骨側からの下垂体露出と電極固定法を工夫し, 単一細胞から数時間にわたって活動電位を記録することを可能にした. この標本においてPiperidineは投与電流値, および発火頻度の増加率と活動電位の持続時間の延長率の上でacetylcholineと類似し, ほぼ同強度の作用を示した. この作用は従来検討した他の部位における作用より強く, Piperidine感受性に部位特異性があることが明らかになったのみならず, 下垂体体分泌細胞の興奮性に影響を与えることにより脳-内分泌調節に, 更に睡眠の調節に関与している可能性が高いことが推定された. Piperidineの関連物質であるhydroxy pipecolic acid, hydroxy prolineが下垂体に比較的高濃度に存在していることもGC/MSを用いた分析により明らかになった. 又, この研究過程において, Piperidineが膜を構成する複合糖質であるシアル酸との相互作用により膜の興奮性に影響を与えることを示唆する興味深い知見が得られ, 現在この点について鋭意追究中である. これらの成績はNeuropharmacol, Anal Biocham, Arch int.pharmacodyn, J.Pharm.Pharmacol等に論文として, 又今春出版予定のmonographであるGlycoconjugatei in Medicineに総説として発表した. 又, 5月にBerlinで開催される日独シアル酸シンポジウムにおける講演も決定している.
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