微生物汚染に対する紫外線の殺菌効果と院内感染防止への応用-とくに床面照射型紫外線殺菌灯ローラーについて
Project/Area Number |
62571013
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医学一般
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金政 泰弘 岡山大学, 医学部, 教授 (80033059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義一 岡山大学, 医学部, 講師 (00127581)
新 太喜治 岡山大学, 医学部付属病院(中央手術部), 助教授 (60033073)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 清掃用床面殺菌装置 / 殺菌灯ローラー / 紫外線 / 院内感染 / 殺菌効果 |
Research Abstract |
紫外線は強力な殺菌手段として多くの分野に応用されている. しかし紫外線は人体に対し障害性があるため常に医療従事者・患者の存在するICU・病室などでは使用できない. このため最近床面のみを紫外線殺菌灯で照射する殺菌灯ローラーが作製された. この機器は院内感染の防止に効果があるものと予想されるため詳細な殺菌効果を検討した. 殺菌灯ローラーは本体が45cm×47cmのボックスタイプで裏面に殺菌灯が7本装置されており, 床面までの照射距離は0.5cmである. 紫外線照度は最高部で9700μw/cm^2である. まずモデル実験としてガラス板および通常床面に使用される樹脂タイル表面に付着させた微生物に対する殺菌効果を検討した. この結果ガラス板表面上では栄養型細菌に通常の紫外線殺菌灯(1本:照射距離1m)がD値で約3〜5分の分単位の殺菌効果であるのに対し殺菌灯ローラーはD値が0.3秒〜0.7秒の非常に強い殺菌効果を有していた. ただし枯草菌の芽胞は当然ながら紫外線抵抗性であり, D値として6.4秒と殺菌に長時間を要した. 又樹脂タイル表面上ではガラス板表面上より多少のD値の延長を認めた. これらの事より次に実際の床面に対して殺菌灯ローラーで4秒および10秒の照射実験を行った. この結果床面上の塵埃を通常の清掃で除去してある場所では4秒照射後には菌数は1/7に減少し, 10秒後にはほとんど菌は検出されなくなった. しかし床面上に土砂・塵埃の多い場所では10秒照射後も半数以上の菌の生存を認めた. これらの実験より紫外線殺菌灯ローラーは床面上の塵埃を除去しておけば4〜5秒の照射つまりゆっくり押して歩く速さの照射でかなりの床面殺菌効果力を持つ事が判明した. ただし機器の形状から狭い部位には照射できないため現状では消毒剤の塗布と併用する事が望ましいと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)