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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1.香気成分の定量的分析法の確立 香気の研究にあたっては, 定量的取扱いが不可欠であるので, 多数の試料を処理できるうえ, 定性・定量が同時に可能な方法として, ポーラスポリマー吸着・GC分析法を取りあげ, GCピーク面積とその変動係数を指標として検討した. その結果, 水溶液状試料からの香気成分の追い出し条件(吹き込み窒素ガス流速, 時間, 試料温度と食塩濃度など), テナックスへの吸着条件(カラム温度, テナックス量)及び追い出し部位と吸着部位の連結管温度が定量値にシビアに影響を与えることを認めた. また, 香気成分を含む窒素ガスの流路に結露が起ると定量値の変動が大となるので, 追い出しと吸着の各部位とそれを結ぶ管は等温で厳密に管理する必要のあることを認めた. テナックスから香気成分の追い出し条件についても検討した. 固形状試料は, 水を分散〓とする〓〓液にすることにより, ほぼ目的とする結果が得られた. しかし, 〓〓液の粘性や起泡が障害となる場合があり, その時には適当な前処理が必要であり, 米飯の場合には, α-アミラーゼ処理が好結果を得た. 本結果の概要を食品工業学会大会('88・3)にて発表した. 2.炊飯に伴う香気と香気成分の変化 150°C油浴加温条件の場合, 20分前後からドラスチックに米飯らしい香気となる. この時点までに水蒸気蒸留の形で生米中のC5〜10のアルデヒド, C5〜7の1-アルコール, アルキルフラン類が揮発し減少する(低級脂肪酸の減少については報告済み)のに対して, 硫黄化合物は顕著な生成が認められる. 硫黄化合物に特異的なFPD-GCのピーク面積は6〜7倍に増加し, その主成分はジメチルジスルフィドと推定された. 今後, 更に刺戟〓値の低い硫黄化合物群やピラジンなどの窒素化合物群について検討を加える予定である.
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