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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
哺乳類細胞のDNA複製開始制御機構を分子レベルで明らかにするためにDNA複製の温度感受性変異株を用いて遺伝生化学的に解析をすすめるとともに, 複製開始のモデル系としてポリオーマウイルスDNAのin vitro複製系を確立し, さらに複製の素過程に関与する酵素・蛋白を精製し, その性状解析を行った. 1.ポリオーマウイルスDNAin vitro複製系 (1)精製したポリオーマウイルスのlargeT抗原を精製し, このT抗原とマウスFM3A細胞粗抽出液からなるポリオーマウイルスDNAのin vitro複製系を確立した. (2)複製開始機構を解析し, 複製開始には, ポリオーマウイルスDNAの複製開始点と, T抗原および許容細胞の抽出液が必要で, この許容性を決定するものはDNApolymeraseα-primase複合体であることを明らかにした. (3)T抗原にDNAhelicase活性は結合したDNA上を3′→5′方向に移動することが明らかになり, T抗原に, 複製開始以外にleading strand上を二本鎖DNAを巻きもどしながら移動して複製を進行させる機能があることが示唆された. 2.細胞の複製酵素・蛋白 (1)FM3A細胞のDNA依存性ATPase B, C1にDNAhelicase活性を検出し, 5′→3′方向に移動するhelicaseであることを明らかにした. (2)DNAprimaseの活性を促進する因子を検出し, 精製した結果, 促進因子はRNaseH活性をもつことを明らかにした. (3)DNApolymerased活性を促進する因子を精製し, その促進機構を明らかにした.
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