大腸菌プラスミドCo1EIDNAの複製開始点の構造特異性の研究
Project/Area Number |
62580211
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 治夫 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (10127061)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | プラスミドDNA / 複製開始点 / DNA塩基配 / RNAの高次構造 / RNaseH |
Research Abstract |
多くのレプリコンーDNAの自立的増殖単位-はtrarsに働くイニシエター(通常の場合は蛋白質)とcisに働くレプリケーター(通常の場合, 複製開始点と同じ)とから成っている. しかし大腸菌のプラスミドColE1にはこのようなイエシエターはコードされておらず, 複製開始点の上流555塩基の位置から合成されるRNA(RNAII)がそれに代わる機能を果す. このRNAは大腸菌の酵素RNaseHが存在する場合には, 複製開始点でこの酵素により切断され, DNAポリメラーゼIのプライマーとして利用される. またRNaseHが存在しない場合には, 非鋳型鎖でのDNA合成開始の活性化因子として働く. いずれの場合にも, このRNAがDNAの鋳型鎖と安定なハイブリッドを形成することが前提であり, そのためにはこのRNAが一次構造に基づいて適当な高次構造を形成することが必要である. 我々は, RNaseH酵素活性を欠く宿主変異株を利用して, この2つの異なるメカニズムが働くのに必要なDNAの構造を検討してきた. 先ず, 野性株での複製にはRNaseHがRNAIIを切断する部位ではArichな配列が必要であるが, 変異株での複製には必要ないこと, そしてこの部位より約20塩基上流に存在するG-richな配列は両株での複製に必須であることを報告した. 更に他の部分についても同様な検討を行ない, 野性株での複製能は180塩基上流付近でのごくわずかな構造変化-例えば, 一塩基置換や数塩基の欠失など-によって消失するのに対して, 変異株での複製能はその付近を含む82塩基対の欠失を受けてもなお保持されていることが明らかになった. このように, 野性株での「RNaseH存在性」の複製には, 変異株での「RNaseH非依存性(むしろ感受性)」の複製に比べて, 複製開始に関わるDNA, 従ってその転写産物であるRNAの構造がより厳密に保存されていることが必要であると結論される.
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Report
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Research Products
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