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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究においては北海道と近畿地方の過去の大降雨時のいくつかの例につき, レーダー雨量計及びアメダス情報を用いて解析が行なわれた. その結果, 台風, 低気圧, 前線等の降雨の原因はくつかあるものの大降雨をもたらしている地域は比較的固定されており, 大雑把に言えば南あるいは南東を向いた地方で山地, 山脈がこれに平行に走っているところの流域においては, 他の流域よりも大雨が降っていることが明らかにされた. そしてこれらはレーダー雨量計やアメダスデーターを用いてより即時的に, かつ経過時間ごとにその特性が抽出されるようになっている. さらに三次元レーダーを用いての降雨情報の可視化を行なうことにより, 2-20Kmから20-200Kmのスケールを有する降雨強度分布のパターンとその時々刻々推移している特性や降雨強度の鉛直分布がを明瞭に抽出することができるようになった. 次に, 地形性降雨に着目した降雨の半物理モデルを構成した. さらにこれを水平二次元的な地形に適用することにより, 地形特性の豪雨への影響, 効果を詳細に論じることができるようになった. この研究の中で, 風に関して行ったシミュレーションによれば, 地形性降雨の原因となる強制上昇流は孤立峰よりも二次元的に横に連なった山脈の場合には大きな値を示すようになり, さらに二次元的に連なった山脈の中に谷状の地形が存在するときにはその収束効果により, 1m/s近い上昇流が局所的に発生しており, この影響は上空7km程度までつづいていることなどが示された. 次に, 流出解析の方では, 国土数値情報や地形図からのデジタルマップを作製することにより, 地域の地形特性が迅速的に, かつ詳細に取り扱うことができるようになった. その成果の一つとして, 一次河道の決定方法として, 流域に占めるピクセル(メッシュに切った一区画)の集積度の分布形状の利用方法が有効であることが明らかにされた. その他に, 各種土地利用形態が混在している流域における降雨流出予測方法の開発と精度の向上を図る試みがなされている. また歴史的な治水工法の今日的な観点からの研究もなされている.
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